もったいない!?大阪万博の木造リングが解体へ――文化遺産か産廃か

2025年の大阪・関西万博。その象徴として注目を集めているのが「大屋根リング」という、全長約2kmにも及ぶ巨大な木造建築です。

このリング、実は「世界最大の木造建築物」としてギネス世界記録にも認定されているのですが…なんと、万博終了後はほとんどが解体され、産業廃棄物になる可能性が高いってご存じでしたか?

国内外から賞賛されたこの建築の行方について、今、多くの議論と波紋が広がっています。

大屋根リングってどんな建築?木と日本の技術の結晶

まずは簡単に、大屋根リングについてご紹介しましょう。

出典 www.obayashi.co.jp

  • 設計者:藤本壮介氏(世界的に著名な建築家)
  • 全長:約2,025メートル
  • 使用素材:国産杉・檜(約70%)+欧州赤松
  • 構造:日本の伝統的な木組み技法「貫(ぬき)接合」を使用
  • 特徴:屋上には「スカイウォーク」あり。訪問者が歩いて一周できる設計

木の温もりを感じさせながら、持続可能性や脱炭素といった万博の理念を体現する建築です。

解体の方針に「もったいない!」の声続出

ところが、万博閉幕後の大屋根リングは、一部を除いて解体される見通しです。再利用される木材もあるものの、大半は産業廃棄物になるとされています。

現在検討されているのは:

  • 北東側の約200メートルを保存
  • もしくは南側約350メートルを保存(代替案)

この決定は、2025年6月23日に行われる万博協会の理事会で最終判断される予定です。

「持続可能性」と矛盾してない?という疑問

出典 オルタナ

万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。SDGsやカーボンニュートラルといった理念のもとに、多くのパビリオンや建築が設計されています。

にもかかわらず、象徴的な建築物が半年足らずで“ゴミ扱い”になるというのは、どう考えてももったいないし、理念に反しているように見えてしまいますよね。

海外からも批判の声「本当に壊すの?」

実は、大屋根リングの設計や建築手法は海外からも高評価を受けています。多くの外国人パビリオン関係者が「これは保存すべきだ」と口をそろえる中での解体方針に、SNSやメディアでも批判的な声が多く見られます。

「せっかくの文化的象徴が“イベント後のゴミ”になるのは残念すぎる」 「日本は“もったいない精神”を忘れたのか?」

そんな声が、国内外問わず広がっているのです。

なぜ全部保存できないの?―現実的な課題も

とはいえ、「全部残そう!」というのも簡単な話ではありません。

実際には以下のような課題もあります:

  • 維持費の問題:木造のため、保守に多大なコストがかかる
  • 保管・再配置先がない
  • 安全基準の再確認が必要

なので、一部だけでも保存する案が現実的な落としどころとして検討されている、という背景があります。

【図解】大屋根リング保存の課題

課題内容詳細説明
維持管理コスト年間数億円規模と試算。防腐処理や再塗装が必要
設置スペース直線で1km以上を確保できる場所がほぼ皆無
再利用時の法的基準建築基準法や耐震基準の適用が必要になるケースも

このように、技術的・財政的なハードルが複合的に存在します。

今後に向けて:保存のアイデアとレガシーの活用法

とはいえ、全てを廃棄してしまうのはあまりにも惜しい。

せめて「レガシー」として未来に活用できる形を探る必要があります。

こんなアイデアが考えられます:

  • 公園や広場に移設して観光資源化
  • 小学校や美術館の屋外展示として木材を再構築
  • 市民や学生との参加型ワークショップで再利用
  • 環境教育の教材として使う
  • 地元企業と連携したアップサイクルプロジェクト

【イラスト案】木材活用フロー

出典 jocr.jp

  1. 解体 → 2. 加工 → 3. 分配 → 4. 展示 or 教育活用

例:再利用された柱材 → 地元の児童館に展示 → 子どもたちが木材の歴史を学ぶ教材に

データで見る大屋根リングの注目度

海外パビリオン関係者アンケート(架空調査データ)

質問内容賛成反対中立
リングの保存に賛成ですか?72%15%13%
日本のSDGs方針との整合性に疑問?65%20%15%

※データは仮想例ですが、SNSや報道では近い傾向が見られます。

まとめ:リングの解体は、私たちの“未来への態度”が問われている

出典 kyodonewsprwire.jp

大屋根リングをめぐる議論は、ただの建築保存問題ではありません。

「持続可能性って何?」「文化ってどう扱うべき?」

そんな問いを、私たちに投げかけているように感じます。

あなたはどう思いますか? 「もったいない」で終わらせるのではなく、未来のためにどう活かすかを一緒に考えていきたいですね。

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