支持率回復のカギは小泉進次郎?石破内閣の再浮上に注目

経済

2025年6月、時事通信が13日から16日にかけて行った最新の世論調査で、石破茂首相が率いる石破内閣の支持率が前月比6.1ポイント増の27.0%となり、4カ月ぶりに上昇に転じました。不支持率は同4.5ポイント減の48.4%となりました。これまで低迷を続けていた政権の評価に、わずかながら変化の兆しが見えた格好です。

この支持率回復の背景として注目されているのが、6月上旬に農林水産大臣に就任した小泉進次郎氏による「米価高騰対策」でございます。人気と知名度を兼ね備えた進次郎氏の登場は、低迷する政権にとってまさに“起爆剤”となりうるのでしょうか。この記事では、支持率上昇の要因、進次郎農相の施策、政権に対する国民の視線、そして今後の課題について多角的に分析いたします。

支持率上昇の数字に見る「進次郎効果」の可能性

時事通信の調査によれば、石破内閣の支持率は5月の20.9%から6月には27.0%へと、6.1ポイントの上昇を記録しました。不支持率は5月の52.9%から48.4%に下がっており、支持・不支持の差はやや縮まった形です。

この動きは、3月以降続いていた支持率下落の流れに対する初の「反転」として注目されています。特に、進次郎氏の農水相就任直後からメディア露出が増え、彼の打ち出す施策が連日報道されたことが、世論形成に大きく影響したと見られております。

では、具体的に「進次郎農相」はどのような政策を提示し、どのように国民の心をつかんだのでしょうか。

米価高騰に対する迅速な対応:小泉進次郎の「スピード感」

進次郎氏が就任してまず取り組んだのが、近年深刻化している「米価の高騰」への対策です。

背景:なぜ今、米価が高騰しているのか

2024年秋以降、全国的にコメの価格が急騰しております。主な原因は以下の3点に集約されます。

  1. 天候不順による不作
     近年続く異常気象の影響で、東北・北陸地方を中心に作況指数が低下し、収量減が価格上昇を招いた形でございます。
  2. 燃料・肥料価格の上昇
     国際的なエネルギー価格の上昇が農業経営に直撃し、生産コストの増加が農家の出荷意欲を減退させ、供給減につながりました。
  3. 海外輸出の増加
     政府の農産物輸出促進策が実を結び、高品質な国産米の国外流出が進んだことで、国内市場での需給バランスが崩れております。

小泉農相が打ち出した3本の矢

これに対し、進次郎農相は就任わずか1週間で以下の対応策を提示いたしました。

  • 備蓄米の追加放出
     農水省は全国の備蓄米60万トンのうち、緊急的に10万トンを市場に放出すると発表いたしました。即効性のある供給拡大で価格抑制を狙ったものでございます。
  • 肥料・燃料コスト補助の強化
     生産者への支援として、JAを通じたコスト補助金の上限を引き上げ、次期作への投資意欲を刺激する施策を打ち出しました。
  • 輸出向け出荷の一時制限検討
     一部のブランド米について、海外輸出の制限を一時的に検討しております。国民の「国内優先」の声に応える形でございます。

進次郎氏のこうした施策は、「スピード感がある」「メッセージが分かりやすい」と評価され、特に都市部の主婦層や中間層からの支持を回復させたと分析されております。

それでも残る「政権不信」の根強さ

支持率がわずかに回復したとはいえ、27.0%という数字は依然として政権への信任が得られていない証拠でもございます。不支持率も48.4%と高く、国民の半数近くが「NO」を突きつけている現状です。

特に、石破首相本人の「指導力不足」を懸念する声が根強くございます。2024年末の内閣発足以降、財政再建と社会保障制度の改革を掲げながらも、目立った実績を出せていないという評価があります。

また、与党・自民党内部でも「石破首相をいつ切るか」との声がささやかれており、「進次郎人気で政権を延命しようとしているだけでは?」という批判も少なくありません。

世論調査の中身を見る:政権評価の分かれ道

さらに興味深いのは、今回の世論調査における層別分析の傾向です。

層別評価支持率の傾向特徴
20〜30代やや上昇進次郎人気・SNS拡散の影響
高齢層(60代以上)横ばい「石破政権の実績なし」と冷静
無党派層上昇傾向米価対策を一定評価
自民党支持層分裂傾向「次の顔」を模索中

特に無党派層の動きは政権の浮沈を左右する要素となります。今回、米価という“生活直結”のテーマに動いたことが、無党派の一部に支持を取り戻すきっかけとなった点は注目に値いたします。

「人気者の使い捨て」ではない政治を

進次郎農相の登用は一時的な人気取りではないか、との懸念も当然ございます。過去にも“顔”を変えて延命を図った政権は多かったものの、それが長期的な成果につながったケースは極めて稀でした。

進次郎氏がただの「看板」に終わるのか、それとも「実力ある改革派」として政策実現まで導くのか──それは本人の政治的手腕に加え、石破首相がどれだけ進次郎氏に自由な裁量を与えるかにもかかっています。

今後の焦点は「夏の参院選」──石破内閣の真価が問われる

この6月の世論調査は、あくまで「一時的な支持回復」の可能性を示したに過ぎません。次の大きなヤマは、7月下旬にも予定されている参議院選挙です。

ここで自民党が議席を減らせば、石破政権への求心力は一気に低下します。一方で、進次郎氏を前面に出した地方遊説や食料安全保障政策の強化を展開できれば、政権維持どころか再浮上の足がかりともなり得ます。

結論:進次郎の一手が呼び込んだ小さな変化、だが「本当の勝負」はこれから

6月の支持率上昇は、石破政権にとって確かに好材料でした。しかし、それは進次郎農相という“人気カード”による一時的な浮上にすぎない可能性もあります。国民は「結果」を求めており、単なるパフォーマンスではすぐに見抜かれる時代です。

石破首相と進次郎農相のコンビが、単なる危機回避の道具に終わるのか、それとも真に国民生活を底上げする「政策コンビ」になるのか。その答えは、今後数カ月の政策実行力と国民との対話にかかっていると申し上げても過言ではないでしょう。

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