SNSや選挙で話題になり続ける「外国人の生活保護」。 「日本人がないがしろにされている」「外国人が制度を悪用している」…そんな声を聞いたことがある方も多いでしょう。でも、それって本当に事実でしょうか?
今回は、最新データをもとに「外国人生活保護の現実」をわかりやすく整理しました。イメージと事実のギャップを読み解いていきましょう!
❓ 1. 外国人は生活保護を受けられるの?

まず大前提として、日本の憲法25条が保障する生活保護は「国民の権利」。外国人は法律上の対象外です。ではなぜ受給できるのか?
👉 実は1954年の厚生省通達で、永住者や特別在留資格を持つ外国人について「準用措置」として生活保護を適用しているのです。
つまり、外国人は“権利として”ではなく“例外的に”支援を受けられる仕組み。優遇されているわけではありません。
📊 2. 外国人の生活保護受給率はどれくらい?

出典 diamond.jp
厚生労働省のデータ(2023年度)を見てみましょう。
指標 | 数値 |
---|---|
全生活保護世帯 | 約165万世帯 |
外国人世帯 | 47,317世帯 |
外国人割合 | 約2.9% |
外国人の在留者数に占める割合 | 1.6〜1.9% |
✅ 結論:生活保護世帯のうち外国人はたった3%ほど。SNSで見かける「3分の1は外国人」という言説は、完全に誤情報です。
👵 3. 外国人受給者の年齢構成は?
国籍ごとに特徴が大きく異なります。
国籍 | 特徴 |
韓国・朝鮮 | 高齢者が多く、単身70代中心。歴史的背景が影響 |
中国 | 60代が中心、病気や障害による受給も多い |
フィリピン | 子どもが多く、母子世帯が目立つ |
ブラジル | 若年層が多いが、近年は高齢化傾向も |
「働けるのに働かない外国人ばかり」というイメージはデータから見ると誤り。多くは高齢者や母子世帯なのです。
🏠 4. 外国人受給世帯のタイプ
世帯類型別に見るとこうなります。
年度 | 高齢者世帯 | 母子世帯 | 障害者世帯 | 傷病者世帯 | その他 | 総世帯数 |
2014 | 18,720 | 7,465 | 3,550 | 6,903 | 8,622 | 45,260 |
2023 | 25,633 | 4,139 | 3,294 | 4,821 | 8,086 | 45,973 |
👉 韓国・朝鮮籍は高齢者世帯が7割超、フィリピンは母子世帯が4割近くを占めます。国籍ごとに背景が大きく違うのが特徴です。
🚨 5. 不正受給は本当に多い?
ここも誤解が広がりやすいテーマです。
区分 | 件数 | 割合 |
不正受給 | 約31,000件 | 約1.9% |
正当な受給 | 約160万件 | 98%以上 |
つまり、不正受給は全体のわずか2%以下。しかもこれは日本人・外国人を合わせた数字です。大多数はルールに沿って受給しています。
🧩 6. なぜ「外国人が多い」という誤解が広がるのか?
- 誤情報の拡散(SNSの数字の誤用)
- 自分の生活が苦しいときの心理(“奪われる”不安)
- メディアの偏った報道(不正受給ばかり取り上げる)
- 政治的利用(シンプルなスローガンが感情に響く)
実態を知らないまま「イメージ」だけが独り歩きしているのです。
📜 7. 高齢者が多い理由:戦後の制度から
特に韓国・朝鮮籍の高齢者の多さは、戦後の日本の制度設計が大きく関係しています。
戦前に日本に渡った在日コリアンは、戦後の「国籍条項」により年金制度から除外されました。その結果、高齢期に十分な年金がなく、生活保護に頼らざるを得ないケースが多いのです。
これは「働かなかったから」ではなく、歴史的背景によるものです。
🔮 8. これからの課題
- 外国人高齢者の増加:支援のニーズは今後さらに高まる
- 母子世帯のサポート:教育・就労支援が重要
- 誤情報の修正:正しいデータの発信が不可欠
- 制度の透明化:「準用措置」の曖昧さを整理する必要
✅ まとめ

- 外国人受給世帯は全体のわずか3%
- 中心は高齢者と母子世帯
- 不正受給は2%未満で、日本人も含めてごく少数
「外国人が日本人を押しのけて生活保護を受けている」というイメージは、データを見る限り誤解です。むしろ制度の隙間や歴史的背景を抱えた人々が受給しているのが実態です。
👉 大切なのは「分断」ではなく「共生」。数字を正しく理解したうえで、冷静に議論していくことが求められます。
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