1. なぜ今「アジア留学」が注目されているの?

ここ数年、日本人の留学先のトレンドは大きく変化しています。かつては米国、英国、オーストラリアといった英語圏が主流で、「海外留学=欧米」というイメージが強くありました。しかし、2023年以降はアジア地域への留学希望者が急増しています。
文部科学省の統計によれば、2024年には日本からアジア地域へ留学する学生数が過去最高を更新し、全留学生の約45%を占めました。特に韓国、台湾、シンガポール、マレーシアなどは前年から二桁増の伸びを記録しています。
注目の背景は主に3つ
- 円安・物価高の影響
1ドル=160円台の為替水準により、米国や英国などの学費・生活費が円換算で大幅に上昇。欧米留学は年間500万円近くかかるケースも珍しくありません。 - アジア大学の国際評価の向上
QS世界大学ランキングやTHE世界大学ランキングで、シンガポール国立大学、香港大学、ソウル大学などが上位にランクイン。教育の質と国際的評価が上がっています。 - 距離と文化的親和性
日本から飛行機で数時間、食文化や生活習慣も比較的馴染みやすいことから、精神的なハードルが低くなっています。
2. 📊 人気国ランキング(2024年度データ)
順位 | 国・地域 | 前年比増加率 |
---|---|---|
1 | 韓国 🇰🇷 | +18% |
2 | 台湾 🇹🇼 | +15% |
3 | シンガポール 🇸🇬 | +12% |
4 | マレーシア 🇲🇾 | +10% |
5 | 米国 🇺🇸 | -5% |
韓国と台湾は「距離の近さ」と「文化的な魅力」が最大の強み。K-POPや韓国ドラマ、台湾カフェ文化など、学業以外の魅力が留学生活を充実させます。
一方、シンガポールやマレーシアは英語教育+国際的な就職ネットワークが売り。欧米企業や多国籍企業でのキャリアを狙う学生に人気です。
3. 💰 国別アジア留学費用比較(年間目安)

出典 photo-ac.com
国・地域 | 学費(年間) | 生活費(月) | 授業言語 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
韓国 🇰🇷 | 約40〜80万円 | 約8〜10万円 | 韓国語+英語 | ポップカルチャー・美容学・IT分野人気 |
台湾 🇹🇼 | 約35〜60万円 | 約6〜8万円 | 中国語+英語 | 中国語学習+英語環境 |
シンガポール 🇸🇬 | 約120〜200万円 | 約12〜18万円 | 英語 | 金融・経営分野で強み |
マレーシア 🇲🇾 | 約40〜60万円 | 約5〜7万円 | 英語 | 欧米大学の分校あり |
タイ 🇹🇭 | 約30〜50万円 | 約5〜6万円 | 英語+タイ語 | 観光・ホスピタリティ学科人気 |
フィリピン 🇵🇭 | 約30〜50万円 | 約4〜6万円 | 英語 | 短期集中英語留学に最適 |
※為替レートは2025年8月時点、年間換算での目安
注目ポイント:フィリピンやタイは生活費が安く、物価の低さを生かして長期滞在も可能。シンガポールは生活費が高い分、国際的ネットワークや教育の質はトップクラスです。
4. 🎓 アジア留学向け奨学金まとめ

出典 gaxi.jp
奨学金名 | 対象国 | 支給額・内容 | 応募条件 |
---|---|---|---|
JASSO海外留学支援制度 | 全アジア | 月額6〜12万円+渡航費 | 日本の大学在籍、成績優秀 |
韓国政府奨学金(GKS) | 韓国 | 授業料全額+生活費+航空券 | 大学・大学院進学希望者 |
台湾教育部奨学金 | 台湾 | 授業料免除+月額約6万円 | TOCFL一定以上 |
ASEAN国際留学奨学金 | ASEAN加盟国 | 年間最大100万円 | ASEAN諸国大学進学者 |
フィリピン英語留学支援金 | フィリピン | 授業料補助5〜10万円 | 短期英語留学希望者 |
活用のコツ:奨学金の中には授業料だけでなく渡航費や生活費までカバーするものもあります。募集時期は国や機関によって異なるため、少なくとも出発の1年前から情報収集を始めるのがおすすめです。
5. ✈️ アジア留学のメリット・デメリット

出典 we-xpats.com
メリット
- 欧米に比べて費用が安く、年間コストが半額以下になる場合も
- 距離が近く、年末年始や長期休暇に帰省可能
- 英語と現地語(韓国語・中国語など)を同時習得できる環境
デメリット
- 英語圏以外では語学力が不十分だと授業についていくのが大変
- 一部の国では就労ビザやインターン機会が制限される
- 欧米大学に比べて世界的な知名度が低い場合もある
6. 🔍 まとめと今後の展望
アジア留学は費用の安さ・教育の質・距離の近さという三拍子が揃った選択肢です。これまで「留学=欧米」と考えていた人も、選択肢を広げる価値があります。
特に韓国や台湾は文化的にも日本人に馴染みやすく、初めての海外生活でもストレスが少ない傾向があります。
今後はアジア地域内での大学間提携や交換留学制度がさらに増える見込みです。これにより、短期から長期まで柔軟にプランを組めるようになるでしょう。
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