🗳️参院選直前に急増中!政治系「切り抜き動画」の正体と危険性とは?

経済

🗳️ 参院選直前、「政治系切り抜き動画」が急増中

出典 b-rise.jp

2025年の参議院選挙が7月3日に公示され、政治の話題がにわかに盛り上がりを見せる中、ネット上で異常な存在感を放つのが「政治系切り抜き動画」です。

YouTubeやX(旧Twitter)、TikTokなどで目立つのは、街頭演説、政見放送、討論会などから一部の発言だけを切り取って編集した短尺動画
サムネイルやタイトルには「暴露」「激怒」「失言」「神対応」といった強いワードが並び、数万〜数十万再生を記録する動画も珍しくありません。

こうした動画の目的は明白です。再生数を稼いで広告収益を得ること。しかし、その過程で「過激化」「偏向」「フェイクの温床」となるケースが後を絶ちません。


🎥 なぜ切り抜き動画が「政治」を狙うのか?

出典 note.com

もともと「切り抜き動画」は、VTuberやゲーム実況、バラエティ番組などでも人気のあるフォーマットでした。
しかし、ここにきて政治ジャンルへの進出が加速しているのには、以下の理由があります。

✅ ① 強い言葉が多く「バズりやすい」

政治家の発言には批判や対立を含んだ「強い表現」が多く、切り抜けば感情を煽るネタになりやすい。

✅ ② 無料で使える公式動画が多い

政見放送や街頭演説などは著作権的にグレーではありますが、取り締まりが甘く、再編集しやすい素材とされている。

✅ ③ 選挙前は視聴者の関心が高く、再生数が伸びやすい

検索ワードとして「〇〇党」「〇〇候補」「政策」などが増えるため、切り抜き動画も引っかかりやすくなる。

これらの要因から、「切り抜けば稼げる」構図が出来上がっているのです。


💰 再生数=お金。「政治系ユーチューバー」の収益事情

出典 www.youtube.com

YouTubeの収益化には、登録者数1000人以上、総再生時間4000時間以上という基準が設けられています。
この条件を満たせば、広告付き動画として再生数に応じて報酬が発生します。

政治系動画は炎上しやすく、コメント欄も活発になるため、視聴時間と回遊率が高く、アルゴリズム的にも優遇されやすい
さらに、切り抜きという手法は編集に時間がかからず、数多くの動画を量産できるため、数十万円を稼ぐチャンネルも実在します。

その結果、政治に関心が薄いクリエイターまでもが「稼ぎ目的」で参入し、編集の過激化が進んでいるのです。


🚨 「チャンネル売買」という闇ビジネスも発覚

最近の調査で明らかになったのが、「政治系YouTubeチャンネルの売買」が横行しているという事実です。

▶ チャンネル売買の実態とは?

  • 広告収益化済みのチャンネルを、数万〜数十万円で他人に売却。
  • 買い手は過激動画を量産し、短期的に収益を得る。
  • 運営者が頻繁に変わるため、責任の所在が不明。

これはYouTubeの利用規約に明確に違反しており、Google側が対策に乗り出す可能性も高いと見られています。


⚠️ 社会的・法的に見た「切り抜き動画」の危険性

選挙期間中、政治情報の正確性は民主主義にとって極めて重要です。
しかし切り抜き動画は以下のような問題をはらんでいます。

❌ ① フェイクニュースの拡散

発言の前後をカットすることで、真意と全く違う意味に編集されるケースもあります。

❌ ② 公職選挙法違反の可能性

明確な誹謗中傷、特定政党・候補への一方的なネガティブ情報の大量拡散は、選挙法上の問題をはらみます。

❌ ③ 名誉毀損や信用棄損

候補者本人や政党の名誉を傷つけるような編集があれば、訴訟リスクも存在します。


👥 視聴者の「情報リテラシー」が今こそ重要

誰でも情報を発信できる時代だからこそ、受け手側のリテラシーが問われます。

以下のような視点が求められます。

チェックポイント内容
発信者は誰か?政治的な立場や過去の投稿傾向も確認
元動画はあるか?出典をたどって前後の発言を確認
タイトルが煽っていないか?「暴露」「逮捕」「崩壊」などの過激表現に注意
コメント欄の雰囲気は?煽動的な言葉が多いなら信頼性を再検討

🏛️ 選挙におけるネットメディアの責任とは

YouTubeやXが政治的な議論の場になることは悪いことではありません。
むしろ若者の政治参加を促すという点では一定の意義もあるでしょう。

しかし、収益や炎上を目的とした「切り抜き動画ビジネス」がこのまま放置されれば、

  • 民主主義への信頼が失われ
  • 誤情報によって投票行動が左右され
  • 政治不信がさらに広がる

という悪循環を招きかねません。

プラットフォーム側には、

  • 政治関連動画の審査の強化
  • チャンネル売買の監視体制
  • AIによるフェイク検出の導入

などが今後求められることになるでしょう。


✍️ まとめ:政治とネット、信頼できる情報の見極めを

2025年の参院選を通じて浮かび上がった「政治系切り抜き動画」問題。
ネットが民主主義の味方になるか、それとも敵になるかは、私たち一人ひとりの情報の受け取り方にかかっていると言っても過言ではありません。

エンタメとしての切り抜きではなく、社会の命運を左右する「選挙」という場面では、慎重な姿勢冷静な目が必要です。

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