2026年4月、自転車にも「青切符」――反則金はいくら? 制度の変化と注意点を徹底解説

経済

1  はじめに――“交通ルールの最後の空白地帯”にメス

2026年4月1日、自転車の交通違反に対しても自動車と同じ交通反則通告制度(いわゆる青切符)が導入されます。警察庁は2025年4月に道路交通法施行令等の改正案を公表し、同年5月にパブリックコメントを終えて反則金額を正式決定しました。

背景には、2022年の自転車事故が6万9,000件超に達し、重傷・死亡事故の7割で信号無視や一時不停止などの違反が確認されたという危機感があります。


2  青切符とは何か――赤切符との違い

出典 自転車「青切符」制度来春導入正式決定「ながらスマホ」など違反対象113種に反則金…“自転車王国”静岡県民受け止めは?(2025年6月17日掲載)|Daiichi-TV NEWS NNN

青切符は「比較的軽微で、現認しやすく、定型的な違反」に限り、反則金を納付すれば刑事裁判にかけずに処理を終える仕組みです。これまでは自転車が信号無視をすると即「赤切符」で、略式起訴・罰金刑(前科扱い)の可能性がありました。今後は一定の違反に限り、反則金を納めれば刑事罰を免れます。


3  主要違反10項目と反則金一覧

ポイント

  • 自転車の反則金は、原則として同じ違反をした原付バイクの額を準用
  • 「ながらスマホ」は最も高額の1万2,000円

出典 スマホや携帯電話“ながら運転”に反則金1万2000円 自転車の交通違反に青切符 来年4月からの方針 警察庁 | NHK | 事故

主な違反行為(道路交通法条文)反則金補足
1携帯電話・スマホ等の保持使用 (§71の5)12,000円いわゆる“ながら運転”
2遮断踏切への立入り (§33②)7,000円遮断機が下り始めても同額
3信号無視 (§7)6,000円点滅信号は5,000円
4速度超過(15km/h未満) (§22①)6,000円超過幅で最大1万2,000円
5通行区分違反・逆走 (§17等)6,000円歩道徐行義務違反も同額
6指定場所一時不停止 (§43)5,000円停止線・標識を無視
7無灯火 (§52①)5,000円点灯義務は日没から夜明けまで
8並進(二人横並び走行) (§19)3,000円一部自治体は例外標識あり
9交差点右左折方法違反 (§34等)3,000円“巻き込み”防止義務
10警音器吹鳴義務違反 (§54①)3,000円警笛鳴らさず通行帯進入

*警察庁公表の「自転車をはじめとする軽車両の反則行為と反則金の額」(2025年5月)より抜粋。


4  制度導入「前」と「後」を一目で比較

項目2026年3月31日まで(旧制度)2026年4月1日以降(新制度)
違反処理指導警告が中心/悪質事案は赤切符(刑事罰)青切符(反則金)で行政処理、悪質事案のみ赤切符
対象年齢実質制限なし(赤切符は14歳以上が多い)16歳以上
刑事記録赤切符→前科の可能性青切符→前科なし
納付方法略式命令で罰金(銀行窓口)反則金(コンビニ端末やATMも予定)
点数制度点数なし点数なし(免許に影響せず)

主な違いは「軽微違反の刑事罰回避」と「納付方法の簡易化」です。


5  取締りはどこが厳しくなる?――交通量で変わる重点地区

警察は毎年度、事故状況を分析して 「自転車指導啓発重点地区・路線」 を指定し、歩行者と交錯する歩道や交通量の多い交差点で集中的に取り締まります。PDCAサイクルで見直すため、通勤・通学時間帯の駅前や幹線道路は取り締まり強化が継続的に行われる見込みです。

一方、交通量の少ない郊外や農道では、

  • 事故多発区間や通学路に限定した日替わり街頭指導
  • 地域交番による巡回と学校・自治会との合同キャンペーン

といった“面”より“点”の取締りが中心です。違反件数が少なくても重大事故が起きた地域では短期集中の取締りが行われるため、**「地方だから大丈夫」**という油断は禁物です。


6  自転車に乗るときの6つの実践的注意点

  1. 車道左側通行を原則に、歩道は例外的(自転車安全利用五則①)
  2. 交差点は信号と矢印を二重に確認し“巻き込み回避”
  3. ライトと反射材は「早め点灯・昼間点灯」が新常識
  4. スマホ・イヤホンは“降りて操作”が鉄則
  5. ヘルメット着用率は全国平均15%未満—頭部致死率は17倍差(JAF実験)
  6. 雨傘片手運転は都道府県規則違反→5,000円

これらは警察庁が示す安全利用五則と今回の反則金体系に完全に対応しています。


7  ブロガー視点で押さえたい“稼げる切り口”

  • 反則金シミュレーター記事:自分の違反でいくら?広告クリック率◎
  • 地方別・重点地区MAP:自治体オープンデータと組合せSEO強化
  • 保険比較:TSマーク付き自転車保険等のアフィリエイト導入

8  まとめ――「罰則強化」より「事故ゼロ」へ

青切符は「罰則強化」の側面が強調されがちですが、本質は**“前科化”を避けつつ違反抑止を図るバランス策**です。反則金の額よりも、

  • 日常でルールを体に刻むこと
  • 交通量に応じたリスクを意識すること
  • 保険と装備で万一に備えること

が、結果的に最も安上がりで安全な選択になります。制度開始まであと10か月──今から“青切符ゼロ”を目指した習慣づくりを始めましょう。


参考にした主な公的・報道資料

(本文中に出典を埋め込み表示しています)

  • 警察庁「道路交通法施行令の一部を改正する政令案」資料一式
  • 同「自転車の交通違反に対する交通反則通告制度の適用(資料3)」
  • 反則行為・反則金額一覧(2025年5月 公表案)
  • NHK/関西テレビなど各報道(2024〜25年)

記事は以上です。

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