2025年春、オーストラリア南東部の自然保護区で起きたある出来事が、世界中に衝撃を与えました。それは——1100匹以上のコアラが射殺されたというニュース。
「えっ?保護されるべき動物が、なぜそんなことに…?」と感じた方も多いのではないでしょうか。
今回は、なぜこのような事態が起きたのか、その背景や議論のポイントを、わかりやすく紹介します。
🔥何が起きたのか?山火事とコアラの悲劇

場所はオーストラリア・ビクトリア州のブッジ・ビム国立公園。ここで2025年3月、大規模な山火事が発生しました。被害面積は約2200ヘクタール、つまり東京ドーム470個分以上の広さが焼失。特にコアラたちが好んで暮らすユーカリの木々が大きく損なわれ、コアラの生息環境は壊滅的な打撃を受けました。
その結果、多くのコアラが火傷、飢餓、感染症に苦しみ、生きながらにして過酷な状況に置かれたのです。
🛩なぜ「射殺」だったの?安楽死という選択
現地の地形は険しく、地上からの救助活動はほぼ不可能。人の手で一匹ずつ助け出すことはできませんでした。
そこでビクトリア州政府がとった手段が——ヘリコプターからの射殺(安楽死)。
この方法は、主に外来種の駆除などに使われるもので、野生動物の保護対象であるコアラに対して行われたのは前例のない対応でした。
当局は「重度の火傷や飢餓により回復の見込みがない個体を、人道的に苦しみから解放するための措置だった」と説明しています。
❗でもそれって本当に正しいの?賛否両論の声
この対応をめぐって、さまざまな意見が噴出しました。
👎 批判の声
- 「空からの射殺は非人道的」
命中精度に不安があり、即死させられなければかえって苦痛が長引くのでは?という懸念。 - 「孤児化した子コアラは?」
親を失った子どもたちへのケアが不十分だった可能性も。 - 「なぜこんな事態になったのかを考えるべき」
背景にあるのは森林伐採やユーカリの商業用プランテーションの拡大。人間による環境破壊が、そもそもの原因では?という指摘も。
👍 擁護の声
- 「他に方法がなかった」
助けるリソースも手段も限られ、衰弱したコアラたちを放置する方が残酷だった、という現実的な立場。 - 「救助の手が届かない場所だった」
地形や火災の広がりのせいで、選択肢が限られていたことは確か。
🌏深刻化する気候変動と、野生動物の未来

この事件は、単なる「かわいそう」では済まされない、深刻な警鐘でもあります。
- オーストラリアでは、気候変動による山火事の頻発化が大きな問題に。
- コアラの数は過去数十年で急激に減少し、すでに絶滅危惧種にも指定。
- 森林開発や都市拡張によって、生息地が狭まり続けています。
つまり今回のような「選ばれなかった命」が今後も増え続ける可能性があるのです。
📌まとめ
- オーストラリア南東部で1100匹以上のコアラが射殺(安楽死)された。
- 背景には山火事と、その後の環境の悪化があった。
- 「安楽死」という手段には、同情と疑問、両方の声がある。
- 気候変動や人間の活動が引き起こした問題であり、今後の対応が問われている。
ショッキングなニュースですが、私たちにできることはないか?と少しでも考えるきっかけになれば嬉しく思います。
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