【実録】ママ友から誘われた「月5万円の副業」が詐欺だった——33歳主婦が闇バイトに巻き込まれた実態

雑記

「スマホだけで月に5万円くらい稼げる副業があるの。登録するだけで大丈夫だから、試してみない?」

そんなふうに声をかけてきたのは、お子さまが同じ保育園に通うママ友でした。

2025年5月、栃木県に住む33歳の主婦が、電子決済サービスを悪用した詐欺の容疑で逮捕されました。彼女は、保育園で顔なじみの「ママ友」を副業と称して闇バイトに勧誘し、その個人情報を使って不正に商品を購入していたのです。

この事件は、「普通の主婦」が、日常の延長線上にある人間関係の中で、なぜ犯罪に巻き込まれてしまうのか――その背景にある社会構造を浮き彫りにしました。

 


■ 境界線は紙一重。「月5万円稼げる」が地獄の入口に

出典: vegetables-and-fruit.com

昨今、「副業」は非常に身近な言葉になっています。
主婦の皆さまの間でも、育児の合間を活用して「在宅ワーク」や「フリマアプリ」、「ポイントサイト」などで収入を得ている方が多くいらっしゃいます。

そんな中、「月に5万円くらいなら無理なく稼げますよ」という甘い誘い文句は、とても自然に聞こえてしまいます。

実際、この事件で使用された勧誘の言葉には、次のようなものがあったそうです:

  • 「アカウントを登録するだけでいいよ」
  • 「副業として紹介しているだけだから安心して」
  • 「みんなやってるし、大丈夫だよ」

親しみやすく、日常会話の延長のような口調は、相手に安心感を与え、警戒心を徐々に薄れさせます。

 


■ 子育て中の主婦が狙われやすい3つの理由

この事件の本質は、「だまされやすい」性格の問題ではなく、主婦の皆さまが“狙われやすい環境”に置かれていることにあります。

 

1. 経済的な不安と副業ニーズの高まり

2024年の女性ライフデータ研究所の調査によりますと、主婦の57.4%が「副収入を得たい」と考えているという結果が出ています。
生活費や保育料、教育資金などに対する不安は大きく、「自分の力で少しでも家計を支えたい」と考える方が増えています。

そのような前向きな気持ちが、結果として「うまい話」への入り口になってしまう場合があるのです。

 

2. 孤独感と“つながり”への依存

育児中は社会との接点が少なくなり、孤独を感じやすくなります。
そんな中、保育園や地域での「ママ友」との関係は貴重なコミュニティと感じられることも多いものです。

「この人との関係を壊したくない」
「断ったら距離を置かれてしまうかも」
そうした気持ちが判断を鈍らせてしまいます。

 

3. 「ちょっとだけなら大丈夫」の心理

詐欺や犯罪と聞くと、多くの方が「自分には関係ない」と考えてしまいがちです。
しかし、最初の一歩はごく小さな行動から始まります。

たとえば「アカウントを作るだけ」「荷物を受け取るだけ」など、軽い気持ちで始めてしまうことで、気づいた時には深いところまで関わっていた、というケースも少なくありません。

 


■ 闇バイトの実態:今や誰もがターゲットになる時代

出典 ac-illust.com

「闇バイト」と聞くと、若年層の問題と捉える方が多いかもしれません。
しかし最近では、LINE・Instagram・ママ向け掲示板などを通じて、「主婦歓迎」「子育てママ多数活躍中」などの言葉で主婦層が狙われるケースが急増しています。

たとえば、次のような投稿にはご注意ください:

  • 「自宅で簡単ワーク!未経験OK」
  • 「身分証の登録だけで即報酬♪」
  • 「スマホ1台でOK!副業ママ急募」

こうした投稿の裏には、個人情報の不正使用や詐欺・盗難への加担といった危険が潜んでいます。

 


■ なぜ「ママ友」が狙われたのか?信頼関係が“武器”になる現実

この事件では、加害者と被害者は「保育園のママ友」という関係でした。
日頃から顔を合わせ、会話を交わす間柄です。

親しみがあるからこそ、疑うことが難しくなり、
信頼しているからこそ、提案を断りづらくなってしまいます。

そして何より、近い距離で築かれていた信頼が裏切られた時、精神的なダメージは計り知れません。

 


■ 私たちができる3つの「自衛策」

①「うまい話」は一晩寝かせて判断する

すぐに結果が出る、楽して稼げるといった話には慎重な姿勢が必要です。
少しでも違和感を覚えたら、一晩寝かせて冷静に判断しましょう。

 

②「個人情報」は絶対に渡さない

運転免許証やマイナンバーカード、スマホ認証や決済アプリの情報など、個人を特定できる情報は、第三者に提供しないようご注意ください。

 

③「一人で抱え込まない」

不安なときは、ご家族や信頼できる方に相談してみてください。
また、消費生活センターや警察の相談窓口など、公的なサポート機関の活用も視野に入れていただくと安心です。

 


■ 最後に:あなたの“ちょっとした不安”が、犯罪の入り口になることも

今回の事件の主婦は、決して特別な人物ではありません。
少しの油断や、信頼関係の裏切りから、気づけば「加害者」として罪を問われる立場になってしまいました。

「自分は大丈夫」と思っている方こそ、注意が必要です。

副業そのものは、決して悪いことではありません。
しかし、「誰が紹介してきたか」ではなく、「何をさせられるのか」に着目し、ご自身とご家族の安全を最優先にご判断ください。

日々の忙しさに紛れて見逃しがちな“違和感”に気づくこと。
それが、トラブルを未然に防ぐ第一歩になります。

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