
出典 mainichi.jp
2025年7月7日、アメリカのドナルド・トランプ前大統領が、過去のイランへの軍事行動を振り返る中で、日本の広島と長崎への原爆投下を引き合いに出す発言をしました。
具体的には、アメリカ軍によるイランの核関連施設への攻撃について、「戦闘を止めるために行った」と述べた上で、「これは、かつてハリー・トルーマン大統領が原爆を落とした決断と似ている」と語りました。
トランプ氏はこのように述べることで、軍事行動の正当性や効果を訴えたと見られています。
🇺🇸 トランプ前大統領とは?
ドナルド・トランプ氏は、2017年から2021年までアメリカの大統領を務めた人物です。就任当初から「アメリカ第一主義」を掲げ、他国との貿易や外交、安全保障などにおいて独自の姿勢を貫いたことで知られています。
イランに対しても強硬な立場をとり、2018年にはイラン核合意からアメリカを離脱。さらに、制裁の強化や軍事的圧力を加えるなど、一貫して対立姿勢を取ってきました。
このような背景の中で、2020年にはアメリカ軍がイランの革命防衛隊の司令官であるカセム・ソレイマニ氏を殺害。その後、イラン核施設を標的にしたとされる軍事行動も行われています。
💣 広島と長崎に落とされた原爆とは?

出典 mainichi.jp
1945年8月6日、アメリカは広島に、続けて9日には長崎に原子爆弾を投下しました。この爆撃により、合わせて約21万人が死亡。その多くは民間人で、子どもや高齢者も含まれていました。
アメリカ政府は、当時「戦争を早く終わらせるための手段だった」と説明し、これが太平洋戦争終結を早めたと主張しています。
一方、日本国内や国際的には、民間人に対する無差別攻撃であり、国際法に反するという批判も強くあります。
原爆投下が正当だったかどうかについては、今も議論が続いています。
🛑 トランプ氏の発言の問題点
今回のトランプ氏の発言が注目を集めたのは、「核兵器使用」と「現代の軍事行動」を比較した点です。
原爆は、世界で初めて使用された核兵器であり、その後の核軍縮や国際法整備に大きな影響を与えました。今日では、核兵器の使用は国際社会で極めて重大な問題とされており、その是非についても慎重に扱われています。
その中で、「過去の原爆投下」と「現代の軍事行動」を同一視するような発言は、歴史認識の違いや倫理的問題をはらむものとして、各国で慎重な姿勢が求められます。
📢 被爆地からの反応
この発言は、被爆地である広島市や長崎市でも大きな反響を呼びました。
たとえば、広島市の松井一實市長は、過去にもアメリカ大統領の発言や態度について、「核兵器の悲惨さを理解してほしい」と訴えてきました。今回の発言についても、トランプ氏が原爆を軍事的成功の一例として挙げたことに対して、「被爆者の思いを踏みにじるものである」といった声が上がっています。
被爆者団体の中には、アメリカ政府に対して正式な抗議を求める動きも出始めています。
🔥 イランとの関係と軍事行動の背景


出典 hpmmuseum.jp
トランプ氏が原爆投下と重ね合わせた「イラン核施設攻撃」は、2020年から2021年にかけて報道された内容と一致します。
当時、アメリカとイランの間では、核合意の崩壊とイランによるウラン濃縮の進行などが問題となっており、トランプ政権はそれに対する**“軍事的警告”**として攻撃を実行したとされています。
攻撃の詳細は一部機密扱いになっていますが、CNNやニューヨーク・タイムズなどの報道によれば、イラン国内の核関連施設に向けて精密爆撃が行われたとみられています。これにより、核開発の一部が遅延したとされる一方で、イラン国内での反米感情は高まりました。
🕊 核兵器と現在の国際情勢

出典 hpmmuseum.jp
第二次世界大戦後、核兵器の使用は一度も行われていません。しかし、冷戦期にはアメリカと旧ソ連の間で核開発競争が続き、世界には現在も約1万2000発以上の核弾頭が存在するといわれています。
核兵器の保有国は、アメリカ・ロシア・中国・フランス・イギリス・インド・パキスタン・北朝鮮などがあります。
日本は非核三原則(持たず、作らず、持ち込ませず)を掲げていますが、アメリカの“核の傘”の下で安全保障を行っている現実があります。
今回のトランプ氏の発言は、そうした現在の核兵器政策や国際秩序にも影響を与えうるものです。
🌐 国際社会の受け止め
アメリカ国内では、トランプ氏の発言に賛否が分かれています。
保守的な層からは「強いリーダーシップの象徴」と評価する声もありますが、リベラル派や人道団体からは「核の脅威を軽視している」との批判も出ています。
ヨーロッパ諸国の一部では、「核兵器使用の歴史的責任を再認識すべきだ」として、トランプ氏の発言に慎重な立場を取る声が上がっています。
また、国連はかねてより核兵器禁止条約の批准を呼びかけており、各国政府に対しても使用の抑制を強く求めています。
📝 まとめ:発言の影響と今後の注目点
トランプ前大統領がイラン攻撃を「原爆投下になぞらえた」発言は、国内外にさまざまな波紋を広げました。
- 原爆投下を正当化するような言葉に対して、日本国内では強い反発が見られました。
- 被爆地の市民や団体からは抗議の声も出ています。
- 国際社会では、核兵器の倫理的扱いや過去の歴史認識の重要性が再び問われる機会となりました。
今後、アメリカ大統領選挙や中東情勢、核軍縮に関する国際的な動きの中で、こうした発言がどのように影響を与えていくかが注目されます。
🧷補足:関連する主な出来事(年表)
年 | 出来事 |
---|---|
1945年 | 広島・長崎に原爆投下 |
2015年 | イラン核合意が成立(米・欧・イランなど) |
2018年 | トランプ政権がイラン核合意から離脱 |
2020年 | 米軍がイラン司令官ソレイマニ氏を殺害 |
2021年 | イラン核施設への軍事行動が実施されたと報道 |
2025年 | トランプ氏が「原爆投下になぞらえる」発言 |
コメント